シミュレーションの演習

GS6:油空圧アキュミュレータ

アキュミュレータ(accumulator:蓄圧器)とは容器内に高圧で油または気体などの媒体を押し込めたもので、媒体のエネルギーを一時的に蓄える働きがあります(参考)。電気回路のキャパシタに相当し、大流量を一時的に供給したり、衝撃圧力を吸収するとか、脈動の除去などの働きがあります。下に回路記号、ボンドグラフ、容積ー圧力特性を示します([1]-p105)。加圧力が高くなるにつれ、吸込体積は増加し、公称容積に近づきます。

回路記号

ボンドグラフ

容積ー圧力特性

ここで、吸込容積は容積×圧力に比例しますので、

となります。ここで、Cは油空圧アキュミュレータのような非線形の場合には、圧力に依存しますので、

となります。吸込容積が油の圧縮性のみに依存している場合には、

となります。

ここで、はそのときの圧力が作用しているコンテナやタンクの容積であり、Bは体積弾性率です。

上の図で示したボンドグラフは定流量源から流入する流量がCに流入し、積分されて体積となりますが、非線形素子FNCにより出口圧力が決まることを示します。FNCはエフォートに掛かるように設定しています。数値計算のために初期設定圧力以下ではその圧力に対応する容積2[cm^3]が必要です。設定しないと計算刻み幅が0となり、計算不能となります。。

シミュレーション結果

下にシミュレーション結果を示す。最初に流入体積の時間経過があり、次に圧力の時間経過があります。最下図は圧力ー体積特性です。圧力ー体積曲線はポリトロープ曲線といいます。

20-Simによるボンドグラフ・シミュレーション

アキュミュレータのボンドグラフを20-Simで表現すると左図のようになります。20-Simではボンド番号を要素名に付与しています。BGSPと異なりブロックボンドグラフが表示されませんが、これは20-Simではボンドグラフが自動的に表示されるためです。 ブロックボンドグラフの機能はコードに含まれています。ブロックボンドグラフについては非線形特性とブロックボンドグラフをご覧ください。

20-Simによるシミュレーション結果を下図に示します。BGSPと同一の結果が見て取れます。

アキュミュレータのシミュレーション:20-Sim

ブロックボンドグラフによるボンドグラフの表現

アキュミュレータのボンドグラフをブロックボンドグラフを用いて表現すると左図のようになります。20-Simではボンド番号を要素名に付与しています。 ブロックボンドグラフはのブロックはTABLEで表現されます。TAABLEは即ちポリトロープ曲線を表します。TABLEの入力はフローの積分即ち体積ですが、インターフェース・エディターで取り出します。TABLEの出力は要素Cのエフォート即ち圧力です。

シミュレーション結果は上のケースと同一ですので省略します。