シミュレーションの演習

GS12:分巻電動機の始動特性

左図は分巻式直流電動機の模式図です。界磁巻線と電機子巻線が並列である直流電動機です。ボンドグラフを左下図に示します。[1]p138のボンドグラフは少し分かりにくいので、[2]から引用します。La、Raはそれぞれ電機子のインダクタンス、抵抗であり、電機子に加わる電圧,電流が定まります。Rfは界磁抵抗を示します。分巻電動機ですから、これらが"0"ジャンクションにより並列に
接続されています。左側の電動機の回路のエネルギー伝達はE×Iであり、右側の慣性、機械摩擦部分のエネルギー伝達はトルク×角速度ですからいずれも[J/sec]となります。左右をつなぐために可変ジャイレータがあります。可変ジャイレータを制御するKは経験ファクタです。ジャイレータに接続されるJm、Rmは回転子の慣性、摩擦抵抗を表します。 Seは外部負荷トルクです。

分巻式直流電動機の式

模式図から以下の式が容易に導けます。ここで、となり、は一定となるはずです。

シミュレーションの結果

下にシミュレーションの結果を示します。軸回転速度は約1.5秒後に安定しています。2.5秒後に100[Nm]の外部負荷トルク(M29)を加えると、電磁トルクと電流は増加します。また、軸回転速度は一定のはずですが、結果は減少しています。これは寄生効果のためと思われます。I14()は電機子電流です。M21(M)は発生トルクです。