シミュレーションの演習

GS16:掘削用ハンマ

左図は周期的圧力により水平方向に油圧駆動される掘削用ハンマの模式図です。ハンマは左の土壁に衝突しますが、衝突の力は正弦波状とします。土壁に衝突するときに反発力を生じます。土壁の弾性特性は非線形であり、ハンマーの変位が4cmを越えた時点から急激に反発力が増大します。4cm以下では接触がないため、反発はないものとします。ただし、後退のときには変位が4cmになるまで摩擦力が働くとします。このシミュレーションはBGSPではうまくいかないので、20-Simで行います。BGSPでうまくいかない理由はおそらくスイッチングの機構のコードにより代数ループが発生するからと思われます。

上図は20-Simによるボンドグラフです。駆動力発生源の正弦波をTableの関数により整形し、半正弦波状とします。"1"ジャンクションに接続されるのはハンマーの慣性質量I、ばねC、空気力抵抗Rが表現されています。"1"ジャンクションに接続されるは"20-Simの"effort sensor"であって、当該ボンドのエフォートを検出し、出力としています。このエフォートは次の"1"ジャンクションにより土壁の非線形抵抗MR及び非線形ばねC1に接続されています。このシミュレーションは解析から出発しているものではなく、実験値をもとに検討するためのものと思われます。

シミュレーションの結果

シミュレーションの結果を下に示します。上段の"input"はハンマに加えられる力、"x231"はハンマの移動変位、"x_dot231"はハンマ速度、"F29"は土壁の反発力を示します。後退時に瞬間的な負の力が働くことがわかります。このシミュレーションでは、[1]p272のリレーREL29を消去した場合に相当します。このシミュレーションは[1]の結果とほぼ同じですが、少し違う点(例えば"x231"が途中で負になること。)があります。