シミュレーションの演習

GS20:ブリーザー用圧力制御弁

左図は高圧供給源と負荷の中間に設けられている圧力制御弁の模式図です。このような弁の代表的な例としては水中ダイバの呼吸器具があります。ここでは供給源は圧縮空気ボンベであり、負荷はダイバの肺となります。
負荷側の圧力を維持するには圧力が減少するとスライド弁のついているピストンが上昇し、弁が開かれ、高圧側から空気が供給されます。負荷の圧力が上昇しますと、ピストンは下に押し下げられ、弁は閉じる方向に動きます。
左図にボンドグラフを示します。かなり複雑になりますが、 GS9のボンドグラフに似ています。圧力制御弁のばねはC23ですが非線形ばねのため23-231に関数が入ります。SE2はばねの取り付け荷重を表します。

シミュレーションの結果

下図にシミュレーション結果を示します。始動時にかなり激しい過渡変動が生じます。特にQ12において顕著です。しかし、P33は一旦立ち上がるとほぼ安定しています。約0.5秒後にR32のコンダクタンスを小さく(言い換えれば抵抗を大きく)することにより、流量FL32は急激に減少します。[1]p288の図はx232とx231とでスケールのゼロ位置が違いますので注意しなくてはなりません。[1]図のx232についてはx232=0とあるラインがゼロ位置です。下の図では、x232とx231のゼロラインは区別していません。

20-Simによるシミュレーション

下図は20-Simによる場合のボンドグラフです。ボンド番号はマニュアルで記入したものです。関数設定はすべて要素コードに含まれています。注意点としてはSE234は非線形ばねC23のプレロードですが、20-Simの特性からボンドの方向は要素Seから1接点に向かうことになります。実際には逆方向ですので、値を負に設定します。

下図は20-Simによるシミュレーションン結果です。当然ですが、BGSPの結果と一致しています。