ボンドグラフの基礎:3

言葉によるボンドグラフ

"言葉によるボンドグラフ(WORD BONDGRAPH)"とはどのようなことでしょうか。システム・シミュレーションをするにはモデルの構築が必要ですが、多少なりとも複雑になると、モデルの構築には試行錯誤が避けられません。部分から全体へ、また、全体から部分へとなんども繰り返す必要があります。全体の見とおしを良くするには、図による表現のほかに言葉による表現をし、段階的にモデルを構築しなければなりません。この際にパワー伝達に注意し、ボンドによる表現を意識的に行うことが"言葉によるボンドグラフ"となるのです。

[2]では、"円あるいは楕円等により囲んだ端部を線で結んで表現したグラフであって、端部がサブシステムもしくは部品を示し、言葉あるいは記号により表現したもの"と定義しています。端部を結ぶ線をボンドとよび、エネルギーが伝達されることを示します。

下図は油圧システムの"言葉によるボンドグラフ"です。ポートとボンドで示したように線分はボンドといい、パワーを伝達します。この場合は、パワー=油圧[Pa]×流量[m^3/s]です。モーターの出口のボンドはトルク[Nm]×回転角速度[rad/s]となります。それぞれの端部は要素を示し、要素への入出力となるボンドの接続部分をポートといいます。このようにシステムを図解し、かつ言葉で説明することによりボンドグラフ・モデルが作成されます。次の段階はそれぞれの要素と接続部について定式化を行うことです。

油圧システムの言葉によるボンドグラフ

前のページ<< >>次のページ