Tips:6

Ipeの日本語テキストオブジェクトの挿入

Ipeの最大の魅力であるLaTeX形式のオブジェクトの生成についてはTips3において概要を述べました。ここでは、ボンドグラフの基礎:9の図例をとり、日本語テキストオブジェクトの挿入の仕方を解説します

左図が実現しようとする図です。ボンドグラフやブロックダイアグラムはIPE7の標準的機能を用いれば簡単に実現できます。この項の主題としては、

数式の表現

全角文字の表現

となります。

準備と実行

Ipe7を管理者権限で立ち上げ、Edit – >Document Propertiesでpreambleを以下のようにします。preamble部分はutf-8とすること。Tips3で示したMikTeXのインストールがされていなければなりません。ここでの日本語挿入方法はごく短い文に限られます。何字まで許容されるかは明確ではありませんが、タイトルあるいは1行程度の説明文は差し支えないと思われます。

\usepackage{CJKutf8}
% \Ja{text}: Outputs Japanese text.
\newcommand*{\Ja}[1]{%
\begin{CJK}{UTF8}{ipxm}#1\end{CJK}}

このまま、Ipe.binに、例えば、Tky.ipeのようにセーブし、日本語処理をしたい場合は呼び出し、Mode– > Textlabelsにより、テキスト モードとし、コマンド\Ja{・・・・}の形式で日本語を入力します。Tky.ipeをオープンする場合にも管理者権限でしなければなりません。文字サイズは左欄のPropertiesで予め選択しておきます。Mode– > Textlabelsによれば、Select objects後にTranslate objectsにより、移動できます。Text labelsであれば、テキストの長さで伸張します。

入力後にOKでコンパイルされ、下のように表示されます。赤枠で囲まれているのはオブジェクトが選択されていることを示しています。Translate objectsにより、移動できます。なお、コンパイル後にテキストサイズを変更することも可能ですが、MikTeXとのインターフェースの問題から応答が非常に遅くなります。

数式の入力

Propertiesで文字サイズを選択し、テキストモードとします。"math"モードを選択します。これまでのように$記号で囲む必要はありません。入力例を下左に示します。OKとするとコンパイルされます。下右に結果を示します。Translate objectsにより、移動できます。数式表示のLaTeXコマンドについては参考書をご覧ください。

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