Tips:3

Ipe7のインストール方法

数学記号、数式を含む図の作成、例えば自動制御技術で用いるブロック図では、伝達関数を表示する必要があります。このソフトはテキストにLaTeXのコマンドが使用できます。ボンドグラフ作成にも大変有用です。また、ドローソフトとして様々な図形作成にも便利です。

The Ipe extensible drawing editor(図1)からWindows binary versionのipe_7.2.7_win.zipをダウンロードします。何らかの警告が出ることがありますが、特に問題はありません。 (図2)

図1:SourceForge Website

図2:Total List

ipe_7.2.5_win.zipを解凍し、適当なディレクトリに置きます。これで、Ipeのインストールは完了します。Ipeを起動するには、\ipe\bin\ipe.exeをダブルクリックします。ipe.exeのショートカットをスタート・メニューやデスクトップにおいておくのも良いでしょう。

MiKTeXのインストール

次にLaTeX環境のインストールを行います。IpeのLaTex環境ではMikTeXのインストールが必須となります。MikTeXとそれ以外のLaTeX環境の共存は可能です。MikTeXは頻繁にアップデートされますが、これによりW32TEXとの干渉が生じる場合があります。その場合にはW32TEXno 再インストールが必要な場合があります。維持管理にご注意ください。

MikTeXのサイト(図3)のDownloadの欄:MikTeX2.9をクリックします。

図3 MikTeX Site

図4の"Basic MiKTeX 2.9" Installer欄のDownloadをクリックします。

図4 MikTeXのダウンロード

実行をクリックすると、同意が求められ、インストール先の指定をします。設定、設定の表示がされ(図5)、実行表示がされます(図6)。次へをクリックすると、終了の表示がされインストールは終了します(図7)。環境変数の設定変更は不要です。

図5 設定の表示

図6 インストール実行の表示

図7 インストール終了の表示

これでIpeの起動が可能になります。

実際に図を書く。

Ipe.exeをダブルクリックするとIpeが起動します(図8)。画面から直線、曲線等のオブジェクトを生成するのは簡単です。画面上で右クリックすると、赤く表示されます。Modeをクリックして対象オブジェクトを選択できます。ショートカットキー[Ctrl+E]で編集モードに移行します(図9)。直線や曲線の編集モードでは、画面右下のステータスバーに編集メッセージが表示されます(図10)。

図8 Ipe7起動後の画面

図9 Ipe7編集画面

図10 編集モードのステータス画面

編集モードの操作を表にまとめます。

表1:編集モードの操作一覧
操作 機能解説
左クリック insert vtx選択中の頂点の間に新たに頂点を追加
Shift+右クリック Move vtxカーソル付近の頂点を移動
右クリック select vtxカーソル付近の頂点を選択
O Other insertion edge選択中の頂点をもう一方に変更
Del Del vtx選択中の頂点を削除
Space accept edit編集を反映して終了
Esc quit edit編集結果を破棄して終了

テキストオブジェクトの挿入

Ipeの最大の魅力であるLaTeX形式のオブジェクトの生成について解説します。まず、画面上部ツールボックスのテキストレーベルAをクリックすると(図11)、テキスト入力画面が現れます(図12)。ここで、例えば\LaTeXと入力し、OKとした後、File→Run LaTex(または、Ctrl+L)とすると、コンパイルされ、画面に結果が現れます(図13)。オブジェクトの移動はMode→Select objectsとして、オブジェクトを選定し、Mode→Translate objectsにより画面の適当する位置に移動します。必要に応じてpdfもしくはeps等の図形形式により、指定の箇所にsaveできます。

図11:テキスト入力モードの選定

図12:テキスト入力

図13 コンパイル結果

テキストでは\LaTeXの文字をコンパイルすると、

となります(高さ20px)。14pxとすると不鮮明となります。 mimetex.cgiを使用すると、となります。mimetexよりもコンパイル性能は良いように思われます。なお、Ipe自体のコンパイル結果はPostscriptファイルですから、画面上で拡大縮小しても不鮮明にはなりません。

お断り:Ipe7のインストール解説はIpe6インストールマニュアルを参考にしました(2004年10月21日付、作者不詳)。Ipe6インストールマニュアルのサイトは現在閉鎖されています。また、Ipe6とIpe7には互換性はなく、Ipe7はβ版です。使用にあたりご承知おき下さい。

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