編集後記

このSimTecは、鎌田正雄氏(下記(注)を参照のこと)がボンドグラフ関連の知識・演習や話題をまとめて作成したHPです。

(注)鎌田氏は、電気系出身のエンジニアとしてモノづくりに貢献し、ある時期には宇宙ロケット打ち上げにも貢献した人物です。一例として、雑誌「ターボ機械」(ターボ機械協会誌)日刊工業出版、〔連載講座〕 システム・ダイナミクスとボンドグラフ、第1回 鎌田正雄・田中和博・桜井康雄、「ターボ機械」 2022年05月号 第50巻 第5号、pp. 36-44 には、その当時に分野の異なるエンジニア同士のコミュニケーションを上手く図るのに苦労して、ボンドグラフが一番便利であった様子が記載されています。

ボンドグラフの先進国は、欧州ではフランス、米国、アジアではインドであるが、日本国内ではそれほど普及していません。したがって、ボンドグラフに関するHP、SimTecはボンドグラファーにとっては貴重な場であり、ここにこれまでの成果を集積させてもらうことをお願いしたところ、鎌田氏は快諾してくださいました。

そこで、これまでの鎌田氏の努力と成果に、新しく得られたボンドグラフのプログラムやシミュレーション例を掲載して、国内におけるボンドグラフの普及とボンドグラファーの増大とボンドグラフ・カフェ(ボンドグラファーのコミュニティ)の発足を目指たいと考えています。

以下、新たに付加された内容を紹介します。

BGSP(Bond Graph Simulation Program)は、1985 年に、日本機械学会研究協力部会,RC68油空圧システム省エネルギー調査研究分科会の成果として報告されたものです。BGSPは、当時、通商産業省工業技術院機械技術研究所(現、産業技術総合研究所)で、幸田武久博士(機械技研→京都大学、故人)、中田毅博士(機械技研→東京電機大学、名誉教授)を中心に製作され、一般に公開(1988年)されているシミュレーションプログラムです。その後に、(社)日本油空圧学会(現、一般社団法人、日本フルードパワーシステム学会)のOHC-Sim委員会(桜井康雄博士(足利大学))で、油圧記号のアイコン化とマッチさせて油空圧分野でより使いやすくするためにプログラムの修正なども行われました。

BGSPには、ボンドグラフで表されるシステム変数間の因果関係に着目した、簡単な数式処理を用いることにより、

などの特徴があります。プログラムはFORTRAN 77言語で記述されており、パソコン上でも使用でき、他のシステムへの移植も簡単です。

上記の紹介文は、J.U. Thoma & 須田信英 著、ボンドグラフによるシミュレーション、コロナ社(1996年)、の該当箇所をほとんど原文のまま、ただし、誤った記述を修正するなどを行って後に掲載したものです。BGSPの特徴がよく明示されています。

その後、BGSPはC言語、C++言語でも書き下されて、BGSP Ver2は双方の言語での使用が可能です。また、当初のBGSP(便宜上、これをVer.1と呼ぶ)では、システム・ボンドグラフ構造の入力形式がプログラム・ベースであったために、使用方法が煩雑であり一般化しませんでした。そこで、富岡弘毅博士(九州工業大学、博士修了、故人)、田中和博博士(九州工業大学、名誉教授)によりGUIを利用して画面上でボンドグラフ構造の入力が可能となるように修正変更がなされました。

その後、肥後寛氏(九州工業大学)の協力を得て、プログラムのデバッグが行われ修正された箇所があります。またいくつかの便利な機能が付加、拡充されました。そこで、BGSP Ver.2の特徴を纏めると、上記の①②③④に下記の項目を付け加えることとなります。

BGSP Ver.2は各種の機能が整うまでに時間が掛かりましたが、GUIは15年前にほぼ完成しており、それを利用したシステム動特性解析はこれまでに200例を超えます。

これらの結果の中で不合理な結果を得ることはなかったと考えています。したがって、BGSP Ver.2を信頼して利用していただければ幸いと考えています。

しかし残念ながら、気が付かなかった間違いもあるものと思われますので、もしお気づきの点があれば是非ご連絡を願いいたします。