シミュレーションの演習

GS18:水撃ポンプ

左図は単動シリンダ1個の水撃ポンプによる吸気弁の動特性の研究の模式図です。GS9と類似しています。GS9はリリーフ弁ですから設定圧力を越えると動作しますが、この例題では対象が吸気弁ですので圧力が負になると動作します。吸気弁の直径は2mmのボールであり、最大開口時の移動量は0.4mmです。圧力源SE42の圧力は0.2MPaであり、ピストン流量Q11は周期20msの正弦波で変動します。シリンダ圧力はP13、弁位置はx231であらわされます。
ボンドグラフを左に示します。吐出弁はチェック弁ですが、特性を単に1方向の非線形抵抗で表しています。吸気弁の特性には弁体の慣性質量、非線形ばねなど動特性が含まれます。研究のテーマは弁体の振動であり、弁体の形状に関するものです。C13はリザーバを示し、ボンド14以下は吸気弁を示します。左図のボンドグラフをいきなり書くのはかなり難しいと申せましょう。各部分に分けて一つ一つ定式化を行うのが定番です。GS9のような類似の機能に着目するのも重要です。

シミュレーションの結果

下にシミュレーション結果を示します。吸気時に最大0.4[mm]の弁体移動があり、振動が見られます。[1]ではP13は負の部分は表示していませんが、ここでは表示しています。

20-simによるシミュレーション

20-Simによるシミュレーションのボンドグラフを下に示します。ボンド番号が記入されていますが、これは自動的には行われません。GS18のシミュレーションは少し厄介でしたのでマニュアルで記入し、考えるヒントにしました。ブロックボンドグラフの関数部分はすべてコードに含まれています。要素C231から要素R251に接続されているアクティブボンドは要素C251のエフォートであり、要素R251において非線形関数251の処理をしてからフローに掛け算されます。

シミュレーション結果を下に示します。BGSPの結果と比較すると、X231の立ち上り、立下りの部分においてやや相違があります。非線形性が著しいので積分方式の相違によるものと思われます。