ボンドグラフの基礎:8

3ポート素子

0接点

0接点は0ジャンクションとも言います。多数のボンドが並列に接続されることから、並列接点とも言います。

n ≥ 3のとき、 ポート1からパワーが接点に流入し、他のすべてのポートからは流出するとします。接点では流入パワーの総和が0になりますから、次の式が成立します。

0接点では、すべてのエフォートが等しいので、次のようになります。

ブロック図からはポート1では、フローf1が流入し、エフォートe1が戻ります。すべてのエフォートが等しいので、上の式から各ポートにフローが戻り、すべてのフローの合計がポート1に戻ることになります。並列に3ヶ所に接続されている電気回路を例に考えると、すべてのエフォートつまり電圧が等しいことは明瞭です。ボンドグラフからはパワーの流入ポートのみに、ストロークがつき、他のポートにはストロークはつきません。0接点で、もし2以上のポートにストロークがつくなら、それは因果関係に矛盾を生じていることを意味し、ボンドグラフの見直しをしなければなりません。 

上の図はドメイン毎の具体的な例を示したものです。それぞれの変数についてまとめておきましょう。

機械系電気系
特性式符号:意味単位特性式符号:意味単位
P:モーメンタムN・sλ電気モーメンタムVs
X:変位mq:電荷量C

添字はボンドグラフの要素;I、C、R等を示しています。機械系の例では、ばね、ダッシュポット、質量のそれぞれの速度、つまりフローは異なります。そこで、0接点による結合になるのです。流体系の具体例は作図が少しややこしいので省略します。

1接点

1接点は1ジャンクションとも言います。多数のボンドが直列に接続されることから、直列接点とも言います。1接点でも0接点と同じく、流入パワーの総和が0ですから、0接点と同様に、次の式が成立します。

1接点では、すべてのフローが等しいので、次のようになります。

ブロック図からはポート1では、フローf1が接点に流入し、エフォートe1が戻ります。すべてのフローが等しいので、上の式から各ポートにエフォートが戻り、すべてのエフォートの合計がポート1に戻ることになります。直列に3ヶ所に接続されている電気回路を例に考えると、すべてのフローつまり電流が等しいことは明瞭です。ボンドグラフからはパワーの流入ポートのみに、ストロークがつきません、他のすべてのポートにストロークがつきます。1接点で、もしストロークのつかないないポートが2以上あるなら、それは因果関係に矛盾を生じていることを意味し、ボンドグラフの見直しをしなければなりません。

上の図はドメイン毎の具体的な例を示したものです。それぞれの変数については0接点と同じです。Iへの流入フローでフローが決まり、すべてのフローは共通ですから、エフォートのみ記入してあります。

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