爺婆だらけ

老生の趣味はハイキングのみである。最近は腰の具合がよくないので、行く機会がほとんどないのだが、せめて近郊のトレッキングだけでもというのが、願いである。暇なのでYoutubeでハイキングの動画を見るのが最近の楽しみなのである。添付はネットからパクった画像である。
槍ヶ岳の頂上への渋滞である。いつの画像かは知らない。槍の穂の写真だけ見ると、簡単に登れそうだが、岩登りになるので、頂上に登るには、穂の根元から40分ほどかかる。この写真では穂の根元に行くまでにすでに渋滞があるということだ。こんな渋滞はそう度々あるとは思えないが、写真を見ただけで嫌になるであろう。

夏の混雑時の小屋では寝るのも大変である。下はやはりネットからパクった。
老生は南アルプスの仙丈岳に登ったときにこの寝方を経験した。南アルプスは小屋数が少ないので夏季は非常に混雑する。この写真をみてもどんな寝方かは経験しないとわからないだろう。ずばりイワシの缶詰状態になるのである。頭と足が交互になるように寝ることが指示される。そのうえ、10人ほどがその体勢になったところで、小屋の係員が片方から押しまくる。人間の扱いではない。30年ほど前のことで、老生はまだ元気いっぱいであったが、文字通り一睡もできなかった。縦走する予定だったが、意気阻喪して翌日下山した。
そのうえ、最近は爺婆だらけだそうである。若かった当時のハイキングのすばらしさは忘れられない。元気だったあの頃の気分を味わいた。そんな人が多いのだろう。また安全なハイキングとなると、どうしても大勢の方が安心ではある。若いもんは爺婆だらけで嫌になるらしい。混雑を避けてハイキングのすばらしさを味わう方法はいくらでもある。もっともそれなりの技術が必要ではあるが。

気のゆるみ

1週間ほど前、大阪で弁護士との接見を終えた容疑者が逃走する事件が起きた。メディアは連日大騒ぎである。警察の失態が責められるのは当然のことである。こんな事件では決まって、態勢のゆるみ、緊張感が足りないとの叱声が上がる。政治家の失言などでも同様である。決まり文句といってよい。ただとりあえず言ってみただけである。
この事件では、容疑者と面会者を隔てるアクリル板が蹴破られ、面会室の出入りの開閉ブザーは電池がなく、面会室の前室にはだれもいなかったという。気のゆるみといえば、それまでであるが、いくら警察であっても、瞬時も気を抜かず、緊張を持続させることはできない。人間だからである。
老生がまだ現役だったとき、同僚に職場恋愛で結婚を約束していたカップルがいた。結婚式がまじかになったある日、婚約者を助手席に乗せ、帰宅途中に追突し、婚約者は車外に投げ出され、当たり所が悪かったらしく、即死した。まことに気の毒な出来事で、一瞬にして幸福の絶頂から奈落につき落とされたようなものであった。
この場合には、いくつもの「もし」がある。もし、シートベルトをしていたら、もし、ドアロックをしていたら、もし、おしゃべりに夢中にならず、もう少し前方注意を怠らなかったら、もし、夕方で薄暗かったとしてもライトを事前につけていたら、もし、前方に路上駐車の車がなかったら、もし、スピードがもっとゆるかったら、等々である。運転は緊張感を以てとは常々言われることではあるが、誰にも気のゆるみはありうる。しかし、大抵の場合は事故には至らない。それはここで言った「もし」がすべて連続することはめったにないからである。ほとんどの場合は、交通規則と通常の運転マナーの順守だけで十分である。
警察の場合は、犯罪者が多いのであるから、一般人とは異なり、より緊張感が要求される。しかし、今回の場合も、やはりいくつもの「もし」がある。
専門用語になるが、有害な事態を生じるにはいくつもの要因が重なることが指摘され、それをイベントチェインという。どんな「もし」があるかは、現場により異なる。「もし」の検出と対策はそれこそ、最大の緊張感を以てしなければならない。その後は通常のやり方でよいのである。気のゆるみだってある程度は許容されるのである。

茶目ちゃんのパトロール

猫は一日に何回かパトロールに出かける。拙宅には猫ドアがあるので、そこから出ればよいのだが、茶目ちゃんは必ず玄関から出る。野良のクロちゃんと猫ドアで出くわすのが怖いのである。そこで老生の書斎のドアを開けてにゃおーとやる。老生は玄関に出て、茶目ちゃんのために玄関ドアを開けなくてはならない。
昨日は台風だったので、ドアを開けると外を覗いて、こりゃダメとばかりに戻るのを何回も繰りかえした。猫は外が雨ということが分らないらしい。いや、多分雨とはわかっても、出られないという判断には結びつかないらしい。しかし、時には雨でも出ることがある。判断基準は人間の老生には分らない。トイレのためではないようだ。濡れて帰ってきて、猫トイレに入るからである。外でのトイレはいやのようである。
記憶力が弱いわけではないのである。かみさんによると食事の際には、前回のえさがなにかちゃんと覚えていて、同じえさだと拒否するそうである。ぺっとは茶目ちゃん一匹だけで、競争がないので、贅沢になったのだろうか。