2014年06月

ななちゃん

NANA
16歳になったばかりのななちゃんである。この写真を撮ったのは5月2日である。ひげがすごく長いのが特徴である。その時点ではえさもよく食べ、うんちも硬く、健康だとばかり思っていた。少しくしゃみをするので獣医さんのところに連れて行き、薬のついでに血液をとり、健康診断をお願いした。診断の結果は異常ありませんとのことだった。

10日ばかりすると餌を食べず、うんちもしないので腸閉塞の可能性もあると思い、獣医さんにまた連れて行った。脱水症状と猫風邪に効くということで点滴をお願いした。その日からどんどん悪くなり、26日についに永眠した。苦しかったんだろうけれど、ななちゃんと呼びかけるとかすかな声でにゃーと返事をするのであった。

猫の16歳は人間の80歳に相当する。天寿といってもよいのだろうが、あまりの急進展で少しばかり呆然とした。獣医さんによるとガンの可能性があるそうであった。猫は体が小さいので病状の進み方も急速である。昨年からやせてきたが、食欲も普通だったし。たいして気に留めていなかった。もっとも、人間と違って、がんとわかっても抗がん剤治療もできない。ただ、苦しめるばかりだからである。高齢だったのだが、認知症にもならず、粗相をすることもなく、あっというまに旅立ってしまった。

ななちゃんは冬の間はいつも老生の書斎で寝る。ホットカーペットを敷いているからである。朝、私が起きると顔を出してニャーと私に呼びかける。抱いてくれとの要求である。せいぜい5分もすると、飽きて私を蹴飛ばし、今度はかみさんのところに駆けつけ、餌をねだる。私が和室でストレッチを始めるとまたやってきて、そばにごろりと横になる。マッサージをさせるのである。人間のトイレを自分の工夫で使ったり、なにかと思い出も多かったおしゃべりな猫であった。

飼い主には、これといって取り留めもない日常の風景であったのだが、いなくなるとやはりちとさびしい。